2020年 一泊三日年越しツーリング 2~3日目
あらすじ
年越しツーリングでなんとなく宮城に向かった蚊トンボ。
途中で通行制限や暴風雨に遭いましたが、夕方には仙台の快活にチェックインして早めの休息を取りました。
2日目 仙台市~東京(晴れ)
快活でアイスクリームとコーンスープを飲みながらしばらくダラダラ。
この時点では今後の目的地が決まっていなかったので、この後行きたい場所がないか検索してると…
あ、年越しました。
まあそれはイヤでも超すからどうでも良いとして、今日の予定は以下の通りに決定。
・その途中に灯台を見て神社で初詣
・道の駅でお土産を購入
です。
5時40分、気温はー2度。
路面は多少濡れていたけれど、支障が出るほどの凍結じゃなかった。
出発しようとすると薄着の珍走団が目の前を通過。
珍走もお正月の走り始めとかやるんですね、かわいい。
真っ暗な市内を走ってたら、視界に白いものがパラパラと雪が降り始めました。
積もるほどの量じゃなく、エフェクト程度の雪なので気にせず進みます。
すると、左手のコンビニにさっきの珍走団が集まってました。
あんな寒そうな格好でも、走ってる最中は「寒いからちょっと停まってくれ~!」なんて言えないんでしょうね。
夜が明けて、新年の太陽が昇り始めました。
こりゃあ日の出の瞬間に海には間に合わないな。まあいっか。
石巻市に入りました。
海沿いには新しめで大きな堤防がずーっと続いています。
途中、震災慰霊碑があったので少し立ち寄って、手を合わせておきました。
6時過ぎになると地元の車がかなり走っています。
日の出の予想時刻は7時。
ちょっと海までは間に合わないなと思ったので、石巻港で海鮮の朝食を食べようと思ったのですよ。
港近くに食堂があるのでゴー!
なんか年の初めって初上げとかなんとかで、港は大忙しな印象があったんだけど…。
一応食堂まで行くも、これはね…お休み!
考えてみれば年末休みは当たり前ですよねー。寒さで思考停止してた。
はいじゃあ進みましょう。
これ、明けましたよね?
あけおめー!!おはよう2020年!!!
今年は走りながら初日の出を拝むことになりました。
地元の人は堤防の上から見ている人が沢山いましたね。
確かにそこならよく見えそう。
石巻市を通り過ぎ、牡鹿半島の南東にある鮎川港で寒さに耐え切れず休憩。
ここには「ホエールタウンおしか」という観光物産施設があり、トイレ兼飲み物休憩で立ち寄りました。意外にも駐車場がそこそこ満車ぎみで疑問でしたが、施設の人に「金華山行きの方ですか?」と聞かれて判明。
ここから金華山という島まで船が出ており、そこの神社が金運に恵まれるパワースポットだそうです。
往復で大人2,500円ほどだったので検討したのですが、行って帰ってくるのにおそらく2~3時間はかかりそうで、わざわざ人混みの中お参りする必要もないと判断して、今回島には行きませんでした。
施設ではちょっとだけ物産が売られており、そのほとんどはクジラ肉。
なにやらこの鮎川という場所は古くから捕鯨の町として栄えているようです。
クジラ肉、私自身食べたこと無いんですよねー。なので特に何も買わず。
奥には観光展示もあるらしいですが、こちらは今年の春オープン予定とのこと。
なんとなく牡鹿半島の方へ来たものの、特にこの辺に用事はないので北へ向かいます。
山の中をウーネウネ走っていると、見たことのある名前の道に出ました。
これ、コバルトラインだ!!
道幅は十分で路面も綺麗で走りやすーい!
でも走っている時に海が見える場所はほんの少しなので、景色目当てだと微妙かも。
宮城のライダーはいつもここを走っているんだと思うとなんか感動。
事実、海が青くて綺麗だし交通量も多くはなさそうで良いスポットでした。
港から50キロちょっと走って、一つ目の目的地「寺浜灯台」に到着!
小高い丘の上にあって、小さなお城みたいです。いいね!
実はここ「神割崎キャンプ場」というキャンプ場の中にある灯台なんです。
周りはこんな感じ。
やっぱ三陸の海は綺麗だなぁ!!!
キャンプ場は現在冬季休業中でしたが、場内の散策はご自由にとのこと。
ありがたいです!
そういうわけで場内を散策したのですが、広々していて景色も最高と、かなり魅力的なキャンプ場でした。
機会があったらマジで来てみたい。ネット上の評価もトイレがぼっとん式ってくらいしか不評がなさそうだし。
いかんせん関東からだとキャンプ目的で来るのは辛いけどね…。
あーいいなあ。
というわけで一つ目の目的は達成。
次は初詣ですね。
正直どこでもいいんですけど、なんとなくマップで見つけた「早馬神社」という神社でお参りしてきました。
山間の小さな町のなかにある神社で、800年の歴史があるそうです。意外とスゴカッタ。
お参りをしてこのツーリングを無事に終わらせること、あと1年の健康を願っておきました。
おみくじも引いて結果は「中吉」。そこそこ良い年だと思える1年にしたいですね。
この時点で時間は12時半。
まだ行動できる時間はある…ので、岩手まで行っちゃえ!!!
というわけで今回最後の目的地は岩手の「首崎灯台」です!
神社を出て北へ走っていると、30分しないくらいで岩手県突入。
幸いにもここ数日での降雪はないようで、日陰の凍結もほぼありませんでした。
でも岩手に入った途端また雪が降り始めて、太陽も雲に隠れてしまい気温低下。
もちろん他のバイクは郵便配達の人しか見かけませんでした。まあそうですよね。
陸前高田市に入って大きな道の駅を見つけたので、締まる前にお土産を買っておこうと思ったのですが、急に目の前に被災跡の遺構の数々が現れました…。
4階まで浸かった跡の残る団地や学校跡がそのまま残されていて、それまで「なんだかんだで復興も進んでるじゃん」と思ってた気持ちが押しつぶされました…。
たしかに、これまでにも海沿いの不自然に何もない土地を見かけていましたが、この時になって震災の被害の大きさと復興の努力をきちんと認識したんだと思います。
暗い話になっちゃいましたね。
ですが、事実として実際に見ないと分からないものとして、今回現地を訪れることができたのは大きな勉強でした。今年は大きな災害が起こらないことを切に願います…。
そんなこんなで放心してたら道の駅を過ぎました。
まだこの先にもあるっしょ!先へ進みます!
14時前に大船渡市の目的地周辺に到着。
ナビだとこの先っぽいけど…。
んー?
港っぽいけど灯台の姿はないな…。
ここは小壁漁港という小さな港。
黒崎神社というこれまた小さな神社がありますが、ここには灯台はなさそうですね。
奥にも行けそうでしたが、海水で浸水していて途中で行き止まりのようです。
おそらく分岐を間違えて違う道に来たみたい。戻ってみます。
ここが分岐。
絶対左の道だと思って進んだ先が漁港でしたので、今度は右の林道大塩線に行ってみましょう。(普通これが灯台への道だとは思わないよ…)
地面は石も少なく締まっていて走りやすいです。
前日の雨で所々に泥濘がありますが、良い林道ですね。
この泥濘はでっかーい。
キャンプ道具満載で来てるので絶対倒れることは許されない…むむ…。
左側をゆっくり通ってクリアしたけど、普通谷側を通る必要ないよね。あっぶねえ。
ん?なんか前方の様子がおかしい。
崩落…してますね。動画だと10分辺りです。
驚きのあまり「ホォッ…」と声が出てしまいました。
歩いて様子を見てみると車の跡があったので、バイクでもいけそうです。
ほいよっと。
崩落部分が盛り上がっていますが、角度が緩やかで崖側に木とガードレールがあるのであまり危険ではありませんでした。
正直ここまで少し距離があったので、道が塞がってなくて良かったです。
まだ灯台まで距離があるので、少しでもバイクで進んでおきたいで…す?
ちょっと走ったところでまた崩落。
何台も車が停まっていたので嫌な予感はしたんですが…。
今度の崩落は完全に道を塞いでいるので、ここからはバイクを置いて徒歩で向かいます。
一応崩落地点には道しるべのピンクテープが結んであるので迷いません。
その先の道も一本道なので道自体は簡単です。
多少道が荒れてきますが、徒歩移動なので問題なし。
最後に崩落している場所です。やはり途中でバイクを置いてきて正解でしたね。
ひたすらウネウネした林道を登って歩いていきます。
バイクを置いた第二崩落地点から歩いて25分、右カーブで狩猟看板が立った地点に到着。カーブの先はまだ道が続いてそうですが、ここは林道を外れて真っ直ぐ進みます。
本当に合ってるのか?ただの獣道じゃね?って雰囲気ですが合ってます。
なぜなら地面に下記の看板が落ちてたからです。
「ここから先は植生保護の為にバイクを含めて全ての車両の進入を規制します。」
「徒歩での見学と通行に、協力をお願いします。」
うん、合ってるはず…
この時点で14時45分。
この先どれくらいかかるかと、帰ってくる時間を考えると、日没までの時間があまり無いので迷わず進みました。
看板の場所からまっすぐ降りていくと見晴らしの良い稜線にでます。
足元の道は分かり易く迷いません。
しかし足元の幅が狭くなり、滑落したら死ねる場所なのでゆっくり進みます。
なにやら前方から子供の声が聞こえたので、狭くなる場所の前で待機していると6~
7人ほどの若い方が引き返してきました。
挨拶と共に「釣りに来たんですか?」と聞かれたので釣りスポットでもあるんでしょうか。
素直に「灯台を見に来ました」と伝えたら一人でよく来たなあ…と呟いてました。
たしかに一人だとちょっと心細い場所です。心霊スポットとしても知られていますし。
草が少ない今の時期でないと来れなかったかもしれませんね。あと強風だと危な過ぎて絶対来れない。落ちる。
バイクを置いて歩き始めて40分、灯台に到着!
来て見たら分かるんですけど、この場所はすごい!!
山の中の絶壁にちょんと灯台が立っていて、実際に立っていて現実味が無い景色です。
これどうやって建てたんだろうか。電柱もすごい斜面にも立ってたし。(途中電線が地面に垂れていたので接触注意!)
Twitterで調べたら今年の初日の出をここで観た人がいたっぽい。
確かに東の方角に突き出ているので、観るには最高の場所だけど、日の出前にここまで来るのは恐いでしょ…。
日が西の山に落ち始めているので急いで帰ります!!
看板の場所まで戻ると、看板が岩に立てかけてありました。
さっきの人たちが立てたのかな。ということは人除けのために伏せておいたのか…?
まあいいや、とにかく戻る。暗くなる前に戻る!
んで16時10分、林道入り口の分岐地点まで戻ってきました。ふー安心。
近くの「道の駅さんりく」へ寄りました。
お土産を買っておきたかったのですが、元旦のため15時には締めていたようです。
ウググ…。
諦めきれず、夕方までやっていそうな物産館に行ってみます。
ガラーン。タクシー二台、人影はなし。
これは完敗ですね。
しかし往きの途中で寄っていたらもっと暗い山中を歩く必要があったので、仕方ないですね。
この時、時間は17時。
でもなんだか今日はまだ動けそう。
前日の満喫でしっかり休んだのが良かったんでしょうね。
それじゃあ、帰っちゃおうか。
3日目 大船渡市~東京(星がよく見えた)
帰りも基本往きと同じ海沿いルートです。
牡鹿半島はスルーしますが、どうしても仙台市に入るまでに山を通る必要がありました。
しかしこの時期この場所この時間に山道が凍結していない訳がなく…。
白いのが雪か塩なのか、黒いのが凍ってるのか凍ってないのか、走ってみるまで判断できません。
でもここを抜けないと帰れないので、両足設置走法で時速15キロくらいで峠を越えました。幸い通行車はゼロ。普通の道でもスピードを出せないので、後ろに車が来たら寄せて先に行かせてました。
帰り道もまた福島の規制区間は高速使用。
絶対怖い思いをすると思ったのですが、車もなく無風だったのでなんなく通過。
26時時点、高速を降りたいわき市の気温。ー5度。
夜走っていると頭の中は9割寒さの事しか考えられません。
山に入ると急激に体感で2、3度下がったことを感じますし、風が遮ぎられた市街地を走っていると明らかに暖かくて体力が回復します。
とはいっても30分に一度くらいのペースで立ち止まったり、コンビニで体温を戻す休憩を挟まないと死んじゃう。やっぱこの時期は電熱装備が必要なんでしょうか…。
「初」日の出ではないけれど、寒さに震えながら走っていたので昨日よりも太陽が有難く感じました。
ああ!ようやく待ち望んだ朝が来た!
この後国道4号線の大きな道に乗って東京へ。
2日の朝だと全く混雑していませんでいた。そりゃそうか。
んで11時半、自宅着。
SLくん長い旅路お疲れ様でした。
今回は行ったことのない宮城・岩手を訪れることができて良かったです。
今年は雪が極端に少なかったので岩手まで行けましたが、翌日には積もって帰れないという状況もありますので、冬季のツーリングはお気をつけ下さい。
私は無理だと思ったら進まずに停滞or退却の判断を下せる準備をしておいたので、ダメなら帰ろう精神で走れたのは良かったと思います。
とりあずこのツーリングはお陰様で無事に帰ることができました。
次は今年いっぱいの健康を実現したいですね!
皆様も健康に気をつけて、良い2020年をお過ごし下さい。
またとんでもなく長い記事になってしましたが、読んで下さりありがとうございました。
走行距離(2区間のみ高速使用)
1日目 東京→仙台市 380キロ
2,3日目 仙台市→岩手の大船渡市→東京 900キロ